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IV−(2) パネルディスカッション(第1ラウンド発言要旨)

 

行政相談と弁護士

 

野間 督司

(弁護士)

 

行政相談との関係でいえば弁護士は法律相談ということで、個々の弁護士が行う以外に弁護士会でも行っている。各市町村役場あるいは都道府県役場といったところとも連携してやっている。大阪弁護士会に例をとると、200か所以上の場所で常時、大阪弁護士会から弁護士を派遣して法律相談に当たっている。例えばきょうお越しの池田市の場合でも、各種の相談窓口の中に法律相談という分野があって、大阪弁護士会から弁護士が行って無料相談に応じているということで、行政相談とは別の窓口となっている。われわれはあくまでも法律相談であるから、個々の相談者の救済というか解決のアドバイスをするということが基本となっていて、システムそのものをどうこうというところまでは勿論及ばないというような実情にはある。

ただ問題は、われわれの場合でもそうであるが、相談というのは、単に「相談を聞いてやればいいのだ」で済む場合もあるが、大半は何らかのフォローを要するわけである。今、池田市長がおっしゃられたのは非常にいい話だと思う。要するに、いかに具体的に目に見える形で対応できるか、でないと、いくら相談窓口を作っても、市民にすれば言いっぱなし、聞きっぱなしみたいな恰好になるから、われわれの方でもそこが一番問題であって、相談を受けた件がその場のアドバイスだけで解決できればいいのであるが、現実には、裁判をしなければいけない、あるいは調停を出さなければいけない、そういう場合にどうするか、市民が安心できる形で弁護士を紹介しなければいけない、提供しなければいけないわけであるから、その辺りは、われわれの対応も現実に努力してやっているというのが一つである。

それと、行政苦情の問題に関していえば、われわれはこういう機関(注:総務庁出先機関、行政相談委員。以下同じ)を使ってやるというよりも、個々の受任した、相談を受けた弁護士が必要に応じて、その事件に応じた行政庁、行政担当者に苦情を言う、あるいは処理、解決を求めるというふうな個別努力で解決しているのが実情である。

大阪弁護士会の中で行政相談という存在を知っている方が何人おられるか、正直に言って疑問がある。PR不足という問題が先程から出ているが、皆さんも身近に知り合いの弁護士さんがおられたら、試しに手当たり次第に聞いてみるとよい。「行政苦情についてこういう機関がある」というのをどの程度知っているかというと、知っていない人が非常に多いと思う。私の場合は、依頼者に行政相談委員をされている方がおられたので、たまたま知っていたにすぎない。法律相談というスタイルをとってお越しになっても、中には、行政相談として(選択肢として)、こういう機関を使ったらより簡単により安く解決できる方法があるわけであるから、これを弁護士が知らずして、依頼者から費用をとって行政機関に一々言って行くという儲け主義に走る必要はないわけである。したがって、われわれも一層連携をする必要があると思うし、そのためには、われわれ業界内においても「そういう機関がある」という意味でのPRは必要ではないかと、反省を込めて私の報告とさせていただく。

 

 

 

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